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思い出を崩さずにしまいこむ
思い出は、誰にとっても大事なものです。
"人生は思い出を蓄積していくためにある" と言っても過言ではないと思います。
「あの時は良かったなぁ」「あれは苦労したよなぁ」「あんなこともあったっけ…」
…と、思い出に浸るときは、素晴らしい瞬間です。
僕はそう思います。
いい思い出は、思い出すだけで、幸せになれます。
しかし、残念ながら、記憶は薄れていきます。
だんだんと忘れてしまいます。
しかし、思い出を忘れないようにする方法があるとしたら、どうですか?
試してみたいとは思いませんか?
ここでは、とっておきのその方法をお教えいたします。
(これはあくまでも、僕個人の勝手な意見です。効果を保証するものではありません。)
<記憶を疑う>
記憶というのは、実にあやふやなものです。
思い出すたびに、頭の中で作り変えられてしまいます。
自分では正しい記憶だと思っていても、写真を見て脳が作り出したニセの思い出だったりします。
『思い出だと思っていたのは、写真についての感想だった』
ということも、ありえない話ではありません。
しだいに、写真を見ないと(写真の映像を思い浮かべないと)思い出せなくなったり、
「楽しかった」のようなあいまいなことしか思い出せなくなってくることもあります。
悲しいことですが、実際に思い出は、薄れたり、作り変えられたりしてしまうものなのです。
少なくとも、私はそう思っています。
<思い出を崩さずにしまいこむ>
思い出を崩さずにしまいこむ…というより、
思い出を閉じ込める…というほうが近いかもしれません。
『思い出を閉じ込める』と言っても、
2度と思い出さない、ということではないですよ。
「じゃあ、いったいどういうこと?」
と思ったでしょうか?
では、順をおって説明していきます。
<突然脳裏に浮かぶ思い出>
まず、あなたにお尋ねします。
ある匂いをかいだとたん、昔の出来事・思い出を急に思い出した
…ということは、ないでしょうか?
懐かしい音楽を聴いて、昔の出来事・思い出を思い出した
…ということは?
こういったことは、誰でも経験があると思います。
なぜか思い出してしまう瞬間があるのです。
これは、その匂いや音楽に、特定の『思い出』が閉じ込められている、ということなのです。
(僕には表現が難しいので、こういう言葉を使わせていただきます)
私はこれを、意図的に作り出せないかと考えたのです。
「旅の思い出を、何かに閉じ込めておくことはできないか?」と。
<僕の考えついた、『思い出を閉じ込める方法』とは?>
僕はまず、匂いについて考えてみました。
なぜなら、音楽よりも匂いの方が、思い出がよみがえることが多いと感じていたからです。
しかし、
特別な、今まで嗅いだことのない匂いを意図的に作ったり嗅いだりする…
というのは、どうすればいいのか見当もつきませんでした。
「できないことで悩むより、他の策を考えよう」と思い、とりあえず、匂いについてはあきらめました。
そこで、音楽ならどうかと考えてみると…、これは、考えるまでもありませんでした。
世の中には、聞いたことの無い曲や、自分の知らないミュージシャン・音楽家が、星の数ほど存在しているのです!
全く知らない音楽に、記憶や思い出をすり込めばいいのです!
「音楽ならば、ウォークマンを使って意図的に聴くことができる!」
と考えたのです。
そこで、僕が実際にしたことは…、
聞いたことのない音楽を、日本の音楽も外国の音楽も含めて、なるべくたくさんMDに録音しました。
それを、旅の間、ずっと聴き続けたのです。
知らなかった音楽に、旅の思い出を閉じ込めたのです!
(“すり込み”のような感覚ですね)
旅の間、ずっと聴き続ける…といっても、移動中と寝るときくらいだけですけど。
僕の場合、九州一周自転車の旅のときは、このことに気づかず、音楽を持っていっていませんでした。
その後の、日本一周バイクの旅のときに、実践しました。
イヤホンを耳に突っ込んでから、ヘルメットをかぶっていました。
(↑危ないので、音は小さくしましょう)
(警察に見つかったら捕まるのかな?判断は自己責任でお願いしますね(笑))
旅を終えた後、そのMDに入れておいた曲をひとつでも聴けば、その時の思い出が頭の底からわいてきます。
写真を見ながら思い出すようなあやふやなものではなく、その時の、瞬間瞬間の感動を思い出せるのです!
そして、ここがポイント。
『旅を終えてからは一度もそのMDを聴かない』
ということです。
もう一度、言いいます。
『旅を終えてからは、一度も思い出のMDを聴きかない!』
「どうして一度も聴かないのか?」
それは、聴いてしまうと、音楽に閉じ込められている旅の思い出が、旅のことを思いだそうとしている今の記憶と置き換えられてしまうからです。
分かりにくいと思うので、説明します。
(これは、説明するための、仮のお話です)
あなたは、『音楽A』という曲を、旅の間中ずっと聴いていました。
旅を終えたとき、『音楽A』は、旅の思い出の曲になっています。
音楽への、思い出のすり込みです。
ここまではいいでしょうか?
さて、あなたは感動の旅を無事終えることができました。
「ああ、旅に出てよかったなあ」
「素晴らしい旅だったなあ」
…と思っていることでしょう。
しかし日常生活にもどるにしたがって、
だんだんと旅の記憶・思い出が、おぼろげになっていくのを感じてきます。
旅をしていたときの感動が、うすれてくるのです。
それは、悲しくもあり、寂しくもあることです。
あるいは、ある種のあせりまで感じるかもしれません。
しかし、それが現実です。
そんな時あなたは、「あの時の感動を思い出したい」と思うでしょう。
「あのときの思い出にひたりたい!」と。
そこであなたは、旅の思い出の曲である『音楽A』を聴きました。
なんと!
旅をしているときの感動が、次から次へとよみがえってくるではありませんか!
あなたは、思い出にひたります。
今まさに旅をしているような気持ちになってきます。
あまりの感動に、涙さえながしてしまうかもしれません。
(↑そこまでは感動しないかな(笑))
しかし!
(ここに注意が必要)
そのとき『音楽A』は、決定的に変化してしまいます。
どう変化するかというと、『音楽A』は、旅の思い出の曲ではなくなってしまうのです!
なぜそうなるのか?
それは、また旅の思い出を思い出したくなったときに、もう一度『音楽A』を聴いてみれば分かります。
次に『音楽A』を聴くと、
旅の思い出そのものよりも、「前回、旅の記憶を思い出そうと『音楽A』を聴いたときの思い出」を思い出してしまうのです!
もちろん、少しは旅の思い出も思い出すとは思いますが、確実にうすれているはずです。
だから、旅を終えたら、思い出の曲は聴かないようにするのがいい、と僕は思うのです。
「聴かないなら、意味がないじゃないか!」
と思うかもしれません。
が、意味はあります。
少なくとも、僕は意味があると思っています。
「あのMDを聴けば、いつでも思い出に浸れる」
…という心の余裕(?)が生まれのです。
いつでも思い出せる余裕がある。
でも聴かない。
…そんな状態を作り出せるのです。
だからこそ、閉じ込めるという言葉で表現しているのです。
僕は、この状態を作り出せたことに非常に満足していますが、全ての人が満足する方法ではないかもしれません。
ある人にとっては、この状態が、ひどくストレスを感じるものである場合もあるかもしれません。
実際に試してみて、旅の思い出の曲を聴かないという状態に、耐え難いストレスを感じるのであれば、我慢せず、思い出の曲を聴くことをおすすめします。
なぜなら、この方法は、我慢するためにあるのではなく、満足するためにあるからです。
ただ、僕が考えている『思い出を閉じ込める方法』は、思い出の曲を聴いてしまうと意味が無い(その時点で終わり)ということをお断りしておきます。
それと、不可抗力で思い出の曲を聴いてしまうということもあります。
BGMやテレビや映画などで。
(僕もありました。旅に持っていったMDに、ポルノグラフィティーの『アゲハ蝶』をいれていたのです。この曲が大ヒット曲だったというのを僕は後で知りました。旅を終えてから、数え切れないくらい耳にすることになったのです。涙。。。)
それに備えて、旅に持って行くMDには、いろんなミュージシャンのいろんな音楽を入れておきましょう。
1曲や2曲くらいなら、旅を終えた後聴いてしまっても大丈夫なようにです。
(リスクを分散させるのです)
もうひとつ。
旅に持って行くMDは一枚だけにしましょう。
一枚だと、リピートでずっと流れ続けますし、思い出を閉じ込めるには、曲の順番も重要になってくるのではないかと思います。
(ここの説明ではMDと書いていますが、テープでもCDでもウォークマンなら大丈夫です。)
<匂いで思い出を閉じ込める>
匂いでの『思い出を閉じ込める方法』に関しては、私はやったことがないのですが、思いついた方法で効果のありそうなのを以下に書いておきます。
自分が今まで使ったことのないシャンプーやボディーソープを持って言って旅の間中使い続ける…というのが効果的かもしれません。
旅の間、お風呂に入るときはそれを使い続けるのです。
香水などもいいかもしれません。
毎日同じ香水をふりかけるのです。
以上の方法は、僕は試したことがないので、効果があるかどうかは分かりません。
<余談>
また、参考までに、こんな話もあります。
旅の間中、イクラ丼しか食べない、というオキテを作って旅をした人がいるそうです。
他の記事にも書きましたが。
「旅の間中、イクラ丼しか食べない」
これは、食べ物に思い出が閉じ込められているかもしれません。
もっと言えば、これは、イクラ丼の「匂い」に思い出が閉じ込められているのかもしれません。
こういった、匂いに思い出を閉じ込める…という方法は、僕は試してみたことがありません。
…が、おそらく効果的だと思います。
匂い…というのは、とても記憶と結びつきが強いようです。
匂いに思い出が閉じ込められる効果は、音楽以上である…と僕は思っています。
プルーストの『失われた時を求めて』の冒頭には、こんな文章があります。
「マドレーヌをかじると思い出が広がる」
この文章からも、匂いと思い出は密接な関係がある、ということが感じられます。
(キーワードはこれです(笑))
「音楽や匂いに、思い出を閉じ込めよう」
※ここに書いているのは僕の経験をもとにした個人的な意見です。
判断は自己責任でお願いしますね。(^^)












